「やまゆりの里」訪問記 〜温もりと安心が息づく場所〜

今回は、滋賀県高島市にある特別養護老人ホーム「やまゆりの里」を訪問してきました。この施設は、エージェーシーが提携している施設であり、社会福祉法人「初穂会」によって運営されています。「福祉を通じて社会課題を解決する」という大きなミッションを掲げています。
訪問前に調べたところ、ここ朽木地区は平安時代から魚介類や農産物の交易が行われ、「鯖街道」とも呼ばれていた歴史ある地域です。しかし、ここ20年で人口が40%近く減少しており(2004年の2,499人から2023年の1,559人へ)、過疎化という深刻な課題にも直面しています。
そんな地域に根ざし、福祉の力で未来を見据えた取り組みを続けている「やまゆりの里」。その魅力をたっぷりとご紹介します!
病院ではなく、「街」を感じる建物デザイン
まず施設に入って驚いたのは、病院的なイメージがまったくないこと。廊下は「街並み」、居室は「自宅」という位置付けで設計されており、温かみのある木の床が広がっています。特に廊下や居室の木材の床は、利用者様の足腰に優しいだけでなく、転倒による骨折リスクを軽減するための工夫が凝らされています。
さらに、2人部屋・4人部屋でもプライバシーを大切にした家具の配置があり、まるで「個室」のように感じられました。「自分らしく過ごせる空間」を作ることへの配慮が随所に感じられます。


冬でも快適な暮らしを支える設備
寒さが厳しい朽木の冬を快適に過ごせるように、やまゆりホールや森のゾーン、浴室、脱衣室には床暖房が採用されています。訪問時、暖かい室内で過ごされている利用者様たちが穏やかに会話を楽しんでいる姿が印象的でした。
また、利用者様一人ひとりが安心して入浴できるよう、浴室や脱衣室の細部にも安全を考えた配慮が行き届いているとのこと。スタッフの方々も、「ここでの暮らしを家の延長として感じてほしい」と語っておられ、心温まる思いが伝わってきました。



積極的な特定技能外国人の活用
やまゆりの里では、特定技能外国人を積極的に採用しています。現在、中国、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、ネパールといった多国籍な背景を持つ6名のスタッフが活躍しており、施設にとってなくてはならない存在です。
訪問時にも、外国人スタッフの方々が笑顔で利用者様と接しながら、丁寧に仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。利用者様も外国人スタッフを受け入れており、勉強熱心なその姿勢を称賛する声も多く聞かれました。
施設では、外国人スタッフが日本の生活にスムーズに馴染めるように、日本のルールや地元住民との交流の大切さを教えています。また、地域のイベントや奉仕作業などにも率先して参加しており、地域社会の一員としての役割を果たしています。
施設長は、英語を交えながらジェスチャーを使ってコミュニケーションを取り、「日本の父」として彼らを温かく支えています。この姿勢が、スタッフ間の信頼関係を築き、施設全体の和やかな雰囲気に繋がっていることを実感しました。



※特定技能スタッフへのインタビューを実施いたしました。その内容は「インタビュー」にて公開しております。
さいごに
やまゆりの里は、地域に根ざした温かい空間と安心感が溢れる施設でした。初穂会が掲げる「福祉を通じて社会課題を解決する」というミッションが、利用者様の生活の中で形になっていることを実感しました。また、外国人スタッフとの連携による新しい福祉の形が、地域全体を支える力強い柱となっていることも印象的でした。
これからも、やまゆりの里が地域のセーフティネットとして、安心と笑顔を届ける存在であり続けることを願っています。
皆さんもぜひ一度、朽木の豊かな自然と温もりに触れてみてください!